複数のプレーヤーがゲームをするときには、相手の出方を読んで、自分にとって最適な作戦を考えますね。相手も同じように自分の出方を読んで作戦を考えるだろうという予測のもとに、お互いの取る手が決まるという考え方を「ゲーム理論」といいます。協同作業の例では、集団内に協力者が何人いるかによって、自分が協力すべきか、すべきでないかが理論的に決まります。 周りに十分な協力者がいれば自分が協力しても集団の作業効率は上がりませんから、新たに協力する必要がない。しかし、周りに協力者が少なければ、自分が進んで協力した方がよい。これがゲーム理論の予測する「合理的な行動」です。しかし、実験をやってみると、必ずしもゲーム理論どおりにすべての人間が動くわけではありません。周りに関係なく常に協力するタイプ、理論とは逆に「周りが協力すれば自分もする、周りが協力しなければ自分もしない」というタイプの行動も見られます。