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日本心理学会2008年度大会シンポジウム

 

※本シンポジウムは、当グローバルCOE「心の社会性に関する教育研究拠点」、特定領域研究「実験社会科学―実験が切り開く21世紀の社会科学」との共催で行われました。

タイトル: Reciprocity, cooperation, and fairness: What is unique to human and why(互恵性、協力、公正:ヒトの特異性とその理由)

スピーカー: Prof. Kavin McCabe (George Mason University)、田中正之(京都大学)、山岸俊男(北海道大学)

企画山岸俊男(北海道大学) 司会:長谷川寿一(東京大学)

日時: 2008年9月19日(金) 13:00~15:00

場所: 北海道大学 北海道大学高等教育機能開発総合センター N302

概要:
社会科学は現在、大きな曲がり角にさしかかっている。20世紀の社会科学は、経済学に代表されるように数理モデル化が進行する一方、文化人類学や社会学の一部に代表される理解と解釈の学への傾斜を強めていた。そしてそのいずれもに欠けていたのが、人間性についての科学的理解であった。そして、「経済人」や「政治人」といった神話を現実に引き戻す役割を果たすべき心理学は、この社会科学からの要請に十分に応えることができなかった。その結果、実験経済学に代表される社会科学の新しい潮流は、心理学を素通りして、「神経経済学」への流れ込みつつある。本シンポジウムでは、実験経済学の創始者として2002年にノーベル経済学賞を受賞したバーノン・スミス教授と長年にわたり共同研究を続け、神経経済学への動きを先導したケビン・マケーブ教授に、なぜ経済学は神経経済学を志向するのか、経済学者は神経経済学に何を求めているのかといったことを中心にお話しをしていただいた。マケーブ教授の研究テーマは、「善意会計」という言葉に代表される利他性や互恵性といったヒトの性質を、経済学のモデルにどのように組み込むかという問題であり、進化の産物であるヒトが如何にして高度な協力行動と複雑な社会を形成できたのかという問題である。この問いに対する答えを求める社会科学者の多くは、神経科学との連携を志向する一方、同時に、進化心理学および霊長類学との対話を進めている。本シンポジウムでは、ヒトの理解に欠かすことのできない、チンパンジーに代表される類人猿における協力行動、互恵行動、利他行動などを進めている田中正之先生に、類人猿の協力行動についての最新の研究の紹介をお願いした。また、シンポジウムの提案者である山岸先生は、実験経済学者が行っている実験ゲーム研究と、社会心理学者が行っている実験ゲーム研究の相違点を中心に、心理学は社会科学との対話から何を学ぶことができるか、また、心理学が社会科学に何を提供できるか、そしてそのためには心理学が何をしなくてはならないかなどについての議論の材料を提供した。





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