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第2回国際シンポジウム

“The 2nd Conference on Evolution and the Sociality of Mind”

※本ワークショップは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校進化心理学センターとの共催で行われました。

日時: 2008年6月11日(午前9時~午後5時)、12日(午前9時半~午後2時半)、13日(午前9時~午後12時半)

場所: 北海道大学遠友学舎

参加者:
John Tooby, Leda Cosmides, Steven Gaulin (以上, University of California at Santa Barbara), Clark Barrett (University of California at Los Angeles), Robert Kurzban (University of Pennsylvania), 竹澤正哲 (Tilburg University), 清成透子 (University of Antwerp), Daniel Sznycer, Julian Lim, Sangin Kim, Max Krasnow, Danielle Truxaw, Chris von Rueden, Andy Delton, Tess Robertson, Christina Larson, Kate Hanson Sobraske, Eric Schniter, Carolyn Hodges, Joel Thurston (以上, University of California at Santa Barbara), 山岸俊男, 亀田達也, 結城雅樹, 高橋伸幸, 大沼進, 石井敬子, 煎本孝, 肥前洋一, 高橋泰城, 高篠仁奈, Victoria Yeung, 品田瑞穂, 谷田林士, 横田晋大, 竹村幸祐, 高橋知里, 石橋伸恵, 犬飼佳吾, 三船恒裕, Joanna Schug, 佐藤剛介, 高岸治人, 堀田結孝, 橋本博文, 小室匠, 間山ことみ, 釜屋健吾(以上, 北海道大学): 計 約50名

スケジュール&内容:

6月11日(水)
9:00 - 9:50  発表 1: 竹澤正哲
“Information representation and cognitive algorithms in evolutionary models of cooperation”


人間の認知メカニズムは、自然環境に存在する特定の情報形式を処理するよう適応的にデザインされていることが知られており(e.g., 確率 vs. 頻度情報表現; Gigerenzer & Hoffrage, 1995)、人間の認知システムをモデル化する上で、システムに入力される情報形式やシステム内で処理される情報表象を特定することの重要性が議論されている(Gigerenzer, 2000)。協力行動の進化ゲームモデルを構築する上でも、この問題を無視する事は、非現実的なモデルから得られた仮説を検証し誤った結論を導くなど、様々な問題を引き起こすだろう。本発表では、協力行動の適応的基盤を研究する上で、環境内に存在する情報形式の重要性を指摘するため、2つの実験が紹介された。間接互恵性状況で評判を計算するための認知的アルゴリズムと、一回限りの囚人のジレンマゲームにおける1次・2次のマインドリーディングに関する2つの実験研究の結果が報告され、協力の進化モデルにおける情報の形式の重要性が示された。


10:00 - 10:50  発表 2: Clark Barrett
“Domain specificity in cultural transmission”


領域固有性と文化伝達は、相互に排他的、あるいはゼロサム的なものとして説明されてきている(例えば文化伝達は、ある程度人間の行動や認知の側面に含まれるが、領域固有性はそうではないなど)。しかし自然選択の結果、その環境の構造についての生まれつきの期待やバイアスを通じ、優位に立つような学習システムが形成される。こういった学習システムは、時として準備された学習(prepared learning)として知られている。そして人間の文化伝達においても、文化伝達が系統学的に古いシステムに影響を与える場合や、ある特定の内容に関して、人間が直面した一定の社会的学習の問題が存在している場合には同様かもしれない。そして1つの例は、ある土地において何が危険か、つまり物知りな仲間からの情報が特に有益とされるような領域についての学習かもしれない。本発表では、シュアル族、フィジー人、アメリカ人の間の文化伝達に注目し、そこにおける危険についての準備された学習に関して報告された。

 

11:20 - 12:10  発表 3: 石井敬子
“Faces Augment Attention to Vocal Affect: Stroop Interference and N400”


日常のコミュニケーションにおいて、相手の態度を正しく推測することは重要である。過去の知見は、そのような推測に、声の調子に関する情報が有用であることを示している。加えて近年の比較文化研究は、文脈情報に依存したコミュニケーション様式が優勢な文化の人々は、それが優勢ではない文化の人々よりも、声の調子に注意を向けやすいことを示している。本研究では、感情的発話の判断において、コミュニケーションの重要なキューである顔が呈示された場合、果たして声の調子への注意はさらに高まるのかを検討した。そして参加者は、顔が呈示された場合に声の調子に対してより注意を向けやすく、またストループ干渉効果の指標であるN400を大きく示す傾向にあった。以上より、顔によって声の調子への注意が高まる傾向は、行動、生理のいずれのレベルにおいても確かめられた。

12:10 - 14:00  ポスター発表&昼食休憩

14:00 - 14:50  発表 4: Robert Kurzban
“The Myth of Altruistic Punishment and the Design of Moralistic Punishment”


報酬がない場合でも他者の行動に罰を与えるという“利他的な罰”について、注目が集まっている。しかし、この現象の概念的基盤は明確ではなく、実際のデータは“利他的な罰”の存在が不確かなものであることを示している。これに対し、規範の逸脱によって誰も被害を受けない場合でさえその逸脱者に対しコストを支払わせるようなシステムに関して、その証拠は集まりつつある。そしてさまざまな方法によって得られたデータによると、他者にコストを負担させるのは利他的な動機ではなく応報的・道徳的な動機に基づいていると言える。このことは、社会学的な問題と科学的な問題という2つの未解決な問題を提起する。第1に、理論的にも弱く実証的には成立しえない考え方が、これほど簡単かつ急速に研究者の間に広まったのはなぜであろうか。第2に、人間の心理は、なぜ恣意的な道徳規則を破った個人に対してコストを支払わせたいと思わせるような特徴を持つのだろうか。本発表ではこの問題について検討した。

15:00 - 15:50  発表 5: 清成透子
“Free-riding may be thwarted by second-order rewards rather than punishment”


我々人間はどうすれば見知らぬ他人同士の間でも互いに協力しあえるのか。社会的ジレンマ状況におけるフリーライダー問題を解決する一つの効果的な方法として「懲罰」の導入があげられる。協力しない人に罰を与えることで人々を効果的に協力行動へと導くことが可能となる。しかし、罰にはコストがかかる限り、実際には問題の先送りに過ぎない。すなわち罰にただ乗りをする二次のフリーライダー問題が新たに生じるからだ。発表では、参加者が社会的ジレンマを含んだ協力ゲームを経験した後で、罰と報酬を与える機会を操作した一連の実験が報告された。実験の結果、非協力者を罰しても、罰行為そのものはその後の社会的承認を受けにくいこと、他方で、報酬を与える行為は更なる報酬を呼び込み、自己維持的になり得るという一貫した結果が示された。また、行為者の意図が明確な状況とそうでない状況を比較した際にも、正の懲罰と負の懲罰の効果は変わらなかった。

16:10 - 17:00  発表 6: Steven Gaulin
“Fatty Females, Favorite Forms, and Food for Thought: Studies of the Waist-Hip Ratio Unite Mating Psychology and Neurodevelopment”


本研究の目的は、1)他の動物とは異なり、人間の場合には女性の方が男性よりも体脂肪が多いのはなぜか、2)女性の体脂肪分布が男性と異なるのはなぜか、3)女性の体脂肪分布が魅力度に重要な影響を与えるのはなぜか、という3つの関連した問題が明らかにすることであった。これらの問題を明らかにするカギは、人間の脳の大部分と、脳を構成する物質、特に長鎖高度不飽和脂肪酸(LCPUFA)である。そして一般的に、LCPUFAは殿大腿部(腰や太ももの脂肪として)に優先的に貯蔵される。発表では、女性の性成熟度のパターンや女性の脂肪分布平価の効果、ウェスト‐ヒップ比率と認知能力との相関など、この主張を支持するさまざまなデータが紹介された。

ポスター発表

  1. An Evolved Internal Regulatory Variable for Making Welfare Tradeoffs
    Andrew Delton, Theresa Robertson, Daniel Sznycer, Julian Lim, Leda Cosmides, & John Tooby
  2. Intentions, emotions and the recalibration of welfare tradeoff ratios: gratitude as a case study
    Julian Lim, Daniel Sznycer, Andrew Delton, Theresa Robertson, Leda Cosmides, & John Tooby
  3. Physical and cognitive predictors of cultural abilities across the lifespan
    Eric Schniter
  4. The effects of male social status on reproductive success and health: evidence from the Tsimane of Bolivia
    Chris von Rueden & Michael Gurven
  5. Foraging Adaptations in Spatial Cognition
    Max M. Krasnow, Danielle Truxaw & Steven J. C. Gaulin
  6. Humans accurately estimate others' welfare tradeoff ratios
    Daniel Sznycer, Julian Lim, Andrew Delton, Theresa Robertson, John Tooby, & Leda Cosmides
  7. Development of Tool Use
    Danielle Truxaw, Max M Krasnow, & Tamsin German
  8. Costs and benefits of fat-free muscle mass in men: relationship to mating success, dietary requirements, and natural immunity
    William D. Lassek & Steven J. C. Gaulin
  9. Dominance and attractiveness depend on different parameters in men's voices: The relative roles of mean pitch and pitch variation
    C.R. Hodges, D.A. Puts, & S.J.C.Gaulin
  10. Collective action in egalitarian and inegalitarian groups
    Sangin Kim
  11. Are there nonverbal cues to cooperation? An experimental study using a prisoner's dilemma game
    Mizuho Shinada, Michiko Koizumi, Shigehito Tanida, Hirofumi Hashimoto, & Toshio Yamagishi
  12. Cooperators tend to see human faces in abstract figures
    Shigehito Tanida, Hirofumi Hashimoto, & Toshio Yamagishi
  13. Does the existence of the outgroup mean contamination to females but an obstacle to males?: Sex differences in the perception of intergroup threat
    Kunihiro Yokota & Masaki Yuki
  14. The 'Evoked Culture' Approach to Cultural Variations in the Importance of Self-Esteem (1): A cross-national comparison,
    Kosuke Sato, Masaki Yuki, Kosuke Takemura, Joanna Schug, & Shigehiro Oishi
  15. The ‘evoked culture’ approach to cultural variations in the importance of self-esteem (2): A secondary data analysis,
    Kosuke Takemura & Masaki Yuki
  16. Sex difference of ingroup bias in minimal groups
    Nobuhiro Mifune & Toshio Yamagishi
  17. Decisions under ambiguity: Effects of sign and magnitude
    Keigo Inukai & Taiki Takahashi
  18. The Human’s risk preference for variable-time choice:Why humans and animals are risk-prone?
    Takumi Komuro, Tomohiro Kawaguchi, & Tatsuya Kameda
  19. Group-based reciprocity as an adaptive strategy for generalized exchange
    Yutaka Horita & Toshio Yamagishi
  20. Self-disclosure as a costly signal of commitment: The effects of culture, social structure, and domain
    Joanna Schug, Masaki Yuki & William W. Maddux
  21. Default adaptive strategy in a social setting
    Hirofumi Hashimoto & Toshio Yamagishi
  22. What motivates men to risk-seeking behavior?
    Aiko Murata, Takumi Komuro, Minako Ishiyama, Hiroshi Takei, Tatsuya Morimoto, & Tatsuya Kameda
  23. Culture and the perception of emotion
    Kotomi Mayama, Keiko Ishii, Yuri Miyamoto, & Paula Niedenthal
  24. Behavioral Assortment in a Group Task: How do people react to social-frequency information in a group task with a marginally-diminishing return curve?
    Nobuye Ishibashi, Tatsuya Kameda, & Reid Hastie

6月12日(木)、13日(金)
UCSBと北大の大学院生が4つのグループに分かれ、"Cooperation"、"Culture, Ethology, Environment"、"Social Emotion"、"Cognition, Personality, and Risk"の4つのトピックに関し、各々30分程度、英語で討論した。その後、教員を交えてそれぞれのトピックに関して全体討論を行い、相互理解を深めた。

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