※本ワークショップは、特定領域研究「実験社会科学―実験が切り開く21世紀の社会科学」
、北海道大学社会科学実験研究センターとの共催で行われました。
スピーカー: Sik Hung Ng 博士 (City University of Hong Kong, The President of Asian Association of Social Psychology)
発表タイトル: The Bicultural Self: A cognitive and social-neuroscience approach
日時: 2007年12月6日 (木曜日) 10:30~12:30
場所: 北海道大学 人文・社会科学総合教育研究棟 W408
参加者: 山岸俊男、亀田達也、結城雅樹、高橋伸幸、大沼進、石井敬子、他15名 (計21名)
内容:
Sik Hung Ng博士は、英国ブリストル大学でPh.Dを取得され、現在香港城市大学(City University of Hong Kong)の社会心理学部教授です。彼はこれまで90もの国際雑誌に論文を掲載し、現在はアジア社会心理学会の会長を務めています。第3回GCOE国際ワークショップでは、自己参照効果(Self-reference Effect: SRE)と文化プライミングを組み合わせ、西欧と中国の両文化経験をしていると考えられる香港中国人を調査した実験について話して頂きました。中国文化プライミングをされた香港中国人は、事前に参照した母親もしくは、不同定他者(Non-identified Person: 以下NIP)の情報を自己参照情報と同じくらい思い出せ、一方で、西洋文化プライミングをされた香港中国人は、母親参照情報やNIP参照情報の記憶が悪くなりました。これは、中国文化プライミングでは、自己が他者と社会的に関連(connected)し、西洋文化プライミングでは、自己が他者と分化(differentiated)された可能性を示唆すると解釈されました。また、同様の方法を用い、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)によって実験参加者の脳を調査したところ同様の結果が示されました。
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