21世紀COE 「心の文化・生態学的基盤に関する研究拠点」
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研究紹介 社会を作る心



実験経済学者が行った面白い実験があります。1人の参加者がもう1人の参加者を信頼して、お金を預けるかどうかを決める実験です。もう1人の参加者がお金を返してくれると、お金を預けた参加者は大きな利益を得ることができます。しかし、もう1人の参加者にとっては、預けられたお金をだまってネコババすることができます。実験での行動は完全に匿名性が保たれていて、ネコババしてもばれる心配はまったくありません。この実験を、ゲーム理論を専攻している大学教授のペアと、普通の学生のペアで行わせたところ、預けられた人間にとっての“合理的行動”がネコババ行動であることを理解している大学教授たちは、ゲーム理論を良く知らない普通の学生ほどお互いを信頼することができず、信頼することで得られたはずの利益を失ってしまいました。この実験の結果は、合理的な利益計算だけでは、人間が他の人たちと集団や社会のなかでお互いに協力し合う関係を作ることができないことを端的に示しています。逆に、ゲーム理論を学ばない限り、多くの人たちはお互いに信頼しあい、協力関係を作りあうように行動していることを、この実験の結果は示しています。ただし、いつもお人好しに行動していては、人に利用されて大変な目にあってしまうかもしれません。このプロジェクトの目標は、人間が社会を作り互いに協力し合う関係を生み出していくにあたって、どのような “しくみ”が人間の心に組み込まれているのかを明らかにすることにあります。わたしたちは人間関係の色々な場面で、つい感情的になったり非合理的に行動したりしますが、実はそのような感情的行動の中にこそ、人間を社会的存在として成り立たせている秘密があるのです。この秘密を暴き出すのが、本プロジェクト研究の目的です。


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