Seminar

論文紹介(山縣)・院ゼミ発表検討会(鎌谷)

Coordination dynamics in horse-rider dyads
「人馬一対での(運動)整合のダイナミクス」
Wolframm, I. A., Bosga, J., & Meulenbroek, R. G. J. (2013). Human Movement Science, 32(1), 157–170.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.humov.2012.11.002

スポーツとしての馬術は,人馬の緊密なインタラクションを通して定義される.しかし,馬の異なる歩様を横断して人馬の運動整合ダイナミクスを説明するための,一貫してベースラインとなりうるパラメータは今のところ存在しない.本研究では,並足(walk)・軽速歩(rising trot)・正反撞(sitting trot)・駈足(canter)という馬の歩様を横断して人馬間の運動整合のパターンを検討し説明するために,加速度計を使用する.18名のオランダ人女性(N = 18; mean age ± SD: 37.57 ± 13.04)とウマの組が本研究に参加した.人馬の整合は,標準的な騎乗のプロトコル中に2つのワイヤレス型3軸加速度計を用いて記録された.課題遂行中の人馬の加速-時間系列の予測不可能性がapproximate entropy(AE)の分析手法によって分離して決定されるのと並行して,人馬の整合に関する多数の尺度が人馬の関係性を検討するために算出された.人馬の整合の運動学的変数(平均相対位相,平均相対位相の標準偏差,騎乗者のAE,ウマのAE,0-10Hzの周波数帯域におけるパワー値の95%spectral edge frequency(SEF))は,重相関分析とMANOVAを用いて検定された.結果として,ウマの歩様を横断して有意に異なる整合ダイナミクスがみられ,駈足において人馬の同調(synchronicity)が最も高い水準になることが認められた.加速度計は人馬のコンビネーションの明確な整合パターンをマップするために有用なツールであると結論づけられるだろう.(山縣)

開講日 | 2018年10月31日 14:45~ 場所 | E304