Seminar

論文紹介(山本)・実験計画検討会(上田)

Elephants know when they need a helping trunk in a cooperative task
 「協力課題において、その有用な鼻の使い時をゾウたちは知っている」
Plotnik, J. M., Lair, R., Suphachoksahakun, W., & de Waal, F. B. M. (2011). Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 108(12), 5116-5121
doi:https://dx.doi.org/10.1073%2Fpnas.1101765108

ゾウは、もっとも認知的に進歩している動物だと広く思われているが、体系的な証拠は欠いている。この欠如は主に、陸上で最大の動物を行動実験に参加させるという危険と難しさによる。この状況を変えようとする試みの中で、サルや類人猿に対してよく実験された古典的な1930年代の協力パラダイムは、アジアゾウ(Elephas maximus)の反応を図るために、元々チンパンジー(Pan troglodytes)のためにデザインされた手続を使用することによって修正された。このパラダイムは、共有目的に対する協調の下にある認知を調査しようとするものである。動物たちは協力に対する利益について、何を知る/学ぶのだろうか。彼らは協力活動においてパートナーの役割の重要な要素を学ぶことができるのだろうか。しかし、自然界での観察を通してこのような理解(ヒトを除く霊長類において)は、実験の結果は混在しており、霊長類以外を考慮するとわずかばかりの証拠しか存在していない、ということが示唆されている。ここで、ゾウは「報酬を得るためにロープの両端を同時に引っ張る二個体が必要」な課題において、パートナーとの調和を学ぶことができるということを示したいと思う。ゾウは、同時に行動するだけではなく、彼らは、もしパートナーが遅れてきたら最大45秒引っ張る行動を抑制された。また、彼らは、パートナーがロープのある場所に来なかった場合につかむ所がないロープも持たされた。この結果、協力に対する理解を実証したと解釈される。収束した進化を通して、ゾウはチンパンジーの協力スキルレベルに届いたのかもしれない。(山本)

開講日 | 2018年10月24日