Seminar

論文紹介(若生)、院ゼミ発表予行練習(和田)

学部3年の若生さんが論文紹介をしました。また、修士1年の和田が院ゼミ発表の予行練習をしました。

 

A work-for-food enrichment program increases exploration and decreases stereotypies in four species of bears

「4種のクマにおける食物のための作業エンリッチメントプログラムは、探索行動を増加させ、常同行動を減少させる」

 

Wagman J, Lukas K, Dennis P, et al. (2018),Zoo Biology. 37,3–15.

https://doi.org/10.1002/zoo.21391

 

動物園で飼育されているクマは、一般に負の福祉の指標とされる常同行動を示す傾向がある。我々は、Cleveland Metroparks動物園の4種のクマにおいて、可変時間給餌エンリッチメントスケジュールが福祉の行動指標に与える影響を調査した。8頭のクマに5つのエンリッチメントアイテムのいずれかを2日間連続で与え、1日中行動を観察した。実験1では、2回の、10日間にわたるエンリッチメント提示を、可変時間提示と固定時間提示で比較した。全体として、クマはエンリッチメントを与えたときに、より多くの探索行動を行った(p < 0.0001)。さらに、ベースラインと比較した場合、可変時間のエンリッチメントは、固定時間のエンリッチメントよりも探索行動の増加につながった(p < 0.001)。また、固定時間エンリッチメント(punadjusted <0.05, padjusted = 0.07)および可変時間エンリッチメント(punadjusted <0.05, padjusted = 0.09)ともに、ベースライン時と比較して異常行動が同様に減少した。実験2では、複数のアイテムと半変動スケジュールを用いて、30日間にわたるエンリッチメントへの慣れを検証した。その結果、エンリッチメント期間中、クマはベースラインと比較して探索行動が増加し(p<0.0001)、異常行動が減少した(punadjusted = 0.05, padjusted = 0.09)。また、30日間のエンリッチメント継続期間中、これらの行動には慣れが見られなかった。これらの結果から,毎日,可変的なスケジュールで,ユニークなエンリッチメントアイテムを断続的に提示する給餌エンリッチメントは,正の福祉を示す行動指標を増加させ,負の福祉を示す行動指標を減少させることが示唆された。(若生)

開講日 | 2022年01月05日 13:00 ~ 16:30 場所 | E304