Seminar

論文紹介(藤田)、研究発表(山縣)

学部3年の藤田くんが論文紹介をしました。また、心理学研究室博士3年の山縣さんが研究計画についての発表をおこないました。

 

Neural mechanisms for lexical processing in dogs

「イヌの言語処理における神経メカニズム」

Andics A, Gábor A, Gácsi M, Faragó T, Szabó D, Miklósi A. (2017), Science 353 (6303), 1030-1032.

doi:https://doi.org/10.1126/science.aan3276.

 

ヒトは言語を処理する際、言葉のイントネーションと意味をそれぞれ別々の階層で処理している。この能力の進化は比較研究によって調査可能である。我々は、fMRIを用いて、イヌの脳が、言葉の意味とイントネーションをいかに分離し、そしていかに統合しているのかを調査した。結果、イヌはイントネーションと意味を別々に処理していること、音韻から知っている単語か知らない単語かを区別する聴覚野があること、イントネーションと言葉の意味ともに褒めたものでなければ(イントネーションは高く、言葉は「すごいね!」など)、脳の報酬系の活動量が増加しないことが判明した。イヌにおける、意味とイントネーションを別々に分析し、またそれらを結びつけることができる神経メカニズムの存在は、言語がなくともヒトと同じような言語処理能力が発達することを示唆している。(藤田)

開講日 | 2022年01月12日 13:00 ~ 16:30 場所 | E304