卒論研究の進捗報告(塚原・倉田)・文献紹介(小西)
4年生の塚原さんと倉田さんが卒論研究の進捗報告をしました。また、3年生の小西さんが文献紹介をしました。
Spottiswoode, C. N. (2008). Cooperative breeding and immunity: a comparative study of PHA response in African birds.
共同養育と免疫:アフリカの鳥類におけるPHA反応の比較研究
Behavioral Ecology and Sociobiology, 62, 963-974. DOI : 10.1007/s00265-007-0521-0
Abstract
協同繁殖する鳥類は、ペア繁殖する種よりも寄生によるコストが高くなると予想されるが、その理由は、水平伝播を促進し、寄生虫の病原性が高くなるように選択するはずの生態学的な2つの側面があるからである。この仮説は、協同繁殖種はペア繁殖の近縁種よりも免疫防御に比較的多くの投資をするはずだと予測する。私はアフリカの鳥類で、分裂促進レクチンであるフィトアヘマグルチニンに対する免疫系の反応(PHA反応)を協同繁殖との関連で調べることにより、この予測を比較検証した。66種(うち18種は協同繁殖)のうち、PHA反応は協同繁殖種で有意に高かった。この関連性は、体の大きさ、クラッチサイズ、巣の位置、コロニー性、系統的な共通血統 による類似性によって混乱させられることはないようである。これらの結果から、協同繁殖する鳥類はペア繁殖する鳥類よりも寄生虫に対する防御に投資するよう選択された可能性が示唆される。もしそうであれば、繁殖者、ヘルパー、そして子孫に、フィロパトリーと援助行動の追加コストが課されることになるかもしれない。
開講日 | 2025年05月14日 13:00~16:15 場所 | E304