Seminar

論文紹介(米村)・輪読会④「進化でわかる人間行動の事典」勘違いする・育てる・仲間を作る(長野)

修士2年生の米村さんが論文紹介をしました。また、「進化でわかる人間行動の事典」の輪読会2回目では、3年生の長野さんが「勘違いする」「育てる」「仲間を作る」を発表しました。

Delay of gratification in capuchin monkeys (Cebus apella) and squirrel monkeys (Saimiri sciureus).
フサオマキザル・リスザルの満足感遅延
Anderson J. R., Kurosima H., and Fujita K. (2010). Jounal of Comparative Psychology, 124, 205-210.
DOI: 10.1037/a0018240

Abstract
フサオマキザル(Cebus apella)とリスザル(Saimiri sciureus)それぞれ4匹に、ヒトが6個の餌を1個ずつサルの手の届かないところから手の届くところに移すというデモンストレーションを2回に分けて実施した。テスト試行では、サルはいつでも移された餌に手を伸ばすことができ、その行為によってテストは終了した。したがって、餌が溜まってから餌に手を伸ばすことがサルの利益になる。フサオマキザルでは、Phase 1で満足感遅延を示したサルはいなかった。また、試行の開始直前に無償の餌を1つ与え、パフォーマンスを促進する試みは失敗した(Phase 2)。Phase 3において、提示される餌のサイズが徐々に大きくなると、フサオマキザルのうち2頭では満足感遅延が見られ、6個すべてが蓄積されるのを待つことが頻繁にあった。リスザルのうち1頭は、Phase 1で満足感遅延を見せ始め、Phase 3で満足感遅延を行った。サイズの変更をやめても、サルの遅延能力は損なわれなかった。試行間の遅延は、長い遅延(3秒または5秒)よりも短い(1秒)方が一般に維持しやすかった。両種とも、満足感遅延を見せるかどうかには個人差があった。(米村)

開講日 | 2023年05月24日 13:00~16:15 場所 | E304