3年生の中村くんが論文紹介をしました。

 

DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-022-10261-5

 

Abstruct：

ヒトは、時間や空間を超えた物事について話すことのできる言語を用いて、互いにコミュニケーションを取っている。ヒト以外の動物は、日常生活の中でヒトの発話と特定の物を関連付けることを学習するのだろうか。我々は、ネコが親しいネコの名前と顔を一致させるか (実験1)、およびヒト家族の名前と顔を一致させるか (実験2) を検討した。ネコは、呼びかけ後に呈示される親しいネコの顔写真と一致する名前、または別のネコの名前を飼い主 (実験1)、あるいは実験者 (実験2) に呼ばれた後、ノートパソコンのモニターに親しいネコの顔写真が呈示された。試行の半分は名前と顔が一致する一致条件、半分は不一致条件であった。実験1の結果から、家庭で飼育されているネコは、不一致条件でより長くモニターに注意を向け、期待違反効果が示唆された。しかし、ネコカフェのネコには期待違反効果は見られなかった。実験2では、ヒト家族の人数が多い家庭で生活するネコは、不一致条件でより長い時間モニターに注目したことが示された。さらに、この傾向は、年齢の影響を排除することができないものの、より長い時間ヒト家族と生活しているネコでより強くなることが明らかになった。本研究は、ネコが、仲間の名前とそれに対応する顔を、明示的な訓練なしに結び付ける証拠を示した。(中村)