Seminar

論文紹介(吉岡)・修論口頭諮問予行(上田)

3年生の吉岡くんが論文紹介、修士2年の上田さんが修論の口頭諮問に向けての発表予行練習を行いました。

Physiological and behavioural responses to weaning conflict in free-ranging primate infants
「放し飼いされた霊長類の乳児における、離乳に対する生理的、行動的な反応」
Mandalaywala, T.M., Higham, J. P., Heistermann, M., Parker, K.J., & Maestripieri, D.. (2014) Animal Behaviour, 97, 241-247.
 
母親からの離乳は、哺乳類の乳児に心理的およびエネルギー的にストレスを与えるこの離乳というプロセスにおける生理的機能は重要であるにもかかわらず、これまでの研究では離乳の際生じるストレスの間接的な測定のみしか報告されてこなかった。本研究では、哺乳類の乳児における離乳とそれに伴うエネルギーおよび心理的ストレスの関係を示す。プエルトリコで放し飼いされたアカゲザルの乳児47頭に関するデータを収集し、濃度が母性拒絶の頻度に直接関係し、拒絶率が増加すると濃度が増加する糞中のグルココルチコイド代謝産物(fGCM)を測定した。 fGCM濃度の高い乳児は母親を追いかける確率も高く、さらに母親の追跡は乳頭をくわえる時間の増加に関連しており、離乳に対するストレスが大きい乳児は、母親との接近を増加させようと努力をした。母親から頻繁に拒絶された乳児は、拒絶されたときに、より多くの苦痛の声を発した。しかし、苦痛発声の割合とfGCM濃度の間に関係はなく、離乳に対する行動的ストレス反応と生理学的ストレス反応の分離を示唆している。離乳中の糖質コルチコイド濃度の上昇は、エネルギー貯蔵を促進し、母親の拒絶反応とエネルギー資源の不足に備えて継続的な備えを乳児に促す機能がある可能性がある。(吉岡)

開講日 | 2020年01月29日 14:45~18:00 場所 | E304