Seminar

院ゼミ予行練習(上田)・論文紹介(鎌谷)

修士2年の上田さんが共通院ゼミでの発表の予行練習をしました。同じく修士2年の鎌谷さんが以下の論文紹介をしました。

Bridging the bonding gap: the transition from primates to humans
「絆のギャップを橋渡しするもの:霊長類からヒトへの遷移」

Dunbar, R. I. (2012), Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences, 367(1597), 1837-1846.

https://doi.org/10.1098/rstb.2011.0217

霊長類の社会は、他の哺乳類群においてまれな種類の絆社会関係によって特徴付けられる。連合(coalitions)の基礎を提供する絆関係は、社会的毛づくろいによって媒介されるエンドルフィンメカニズムによって支えられている。しかしながら、この絆関係は、社会集団の規模に制約を課す。そのため、生態学的圧力によってより大きな集団になることが求められたときに、霊長類は絆を促進するために新しいメカニズムを進化させなければならなかった。これには、音声および視覚的コミュニケーションのレパートリーを増やすこと、社会的相互作用に費やす時間を増やすこと、2層(two-tier)の社会関係(強いつながりと弱いつながり)を管理する能力が含まれる。本稿においては、それらの制約がヒトの社会的コミュニティの進化に与える影響を考慮し、笑い(laughter)が、チンパンジーやアウストラルピテクスと、後期のヒト属との集団サイズのギャップを埋める、後期のヒト属の初期の進化的革新であることを主張する。(鎌谷)

開講日 | 2019年10月23日 14:45~18:00 場所 | E304