Seminar

後期ゼミ5回目 論文紹介(田中)

14:45~16:15 瀧本と3年生馬術部見学
16:30~18:00 論文紹介(田中)

Possible use of heterospecific food-associated calls of macaques by sika deer for foraging
efficiency (ニホンジカによる採餌のためのサルの食料関連の音声の使用)
Koda, H. (2012)
Behavioral Processes, 91, 30-34

異種コミュニケーションのシグナルは動物の生存への関連情報を伝える時もある。例えば、ある動物は共通の捕食者に関わる異種の警戒音声を使用したり、盗み聞きする。実際に、多くの観察が反-捕食者戦略(anti-predator strategies)を報告してきた。異種のシグナルの使用は採餌戦略の一部としてほとんど観察されてこなかった。ここに私は再生実験を用いて選んだ実験的証拠を報告する。それは、日本のシカ(Cevus nippon)が採餌のために異種である日本のサル(Macaca fuscata yakui)のfood callを使用していることを示している。シカとサルは高密度で屋久島の野生の森に生息し、たくさんの食糧を共有している。サルの群れが採餌をしている木の下で、実の落下をシカがよく待ち伏せているという観察もある。さらに、サルは採餌中に頻繁にfood callを発する。もしシカがサルの食べ残しから果実を積極的に得るのなら、実の落下を待ち伏せることはシカの潜在的利益を提供するだろうし、さらにシカはサルと採餌活動で関わるだろう。結果は静かな統制条件より有意に、木の下のサルのfood callの再生にシカが集まった。採餌活動でのサルのfood callにシカは関連しているだろうし、採餌効率のために異種の呼び声を利用しているだろうとこれらの結果は示した。(田中)

開講日 | 2015年11月10日 4・5限 場所 | E304