Seminar

研究計画相談(見学者)・論文紹介(舟根)

ゼミ見学者の学生が研究計画について相談し、みんなで議論しました。また、3年生の舟根くんが論文紹介をしました。

Development of motor control and behaviour in Asian elephants in the Kabini elephant population, southern India
インド南部カビニにおけるアジアゾウの運動制御と行動の発達
International Journal of Developmental Biology64(4-5-6), 367-382.

要旨
新生児期の早成性哺乳類は、生まれてすぐにある程度移動、感覚、栄養、そして体温調節の独立性を持つが、晩成性哺乳類よりも成体の体重に達するのが遅く、スキルを成体レベルまで習得するための長い学習期間が与えられる。アジアゾウは早成性だが、少なくとも2年間は母親に栄養的に依存し、長寿で社会的な動物である。我々はアジアゾウの子象の鼻の運動制御と様々な行動の発達を調査し、四肢の運動制御が生まれてすぐに達成されるのに対し、鼻の運動制御が様々な行動より早く発達するかどうかを調べた。南インドに生息する個体別に識別された野生のゾウの鼻の使用、鼻の動きの左右の選好、および行動に関するフィールドデータを収集し、年齢やその他の要因がそれらにどのように影響するかを検討した。四肢の運動制御とは異なり、鼻の運動技能と行動は年齢とともに徐々に発達することが分かった。鼻の動きの左右の選好は非常に早い段階で発生し、鼻の運動技能に大きく依存せず、アジアゾウの発達の指標ではない可能性が高い。鼻の使用が少ない大人のような行動は3ヶ月以内に現れたが、一部の食餌行動は後に現れた。子象は成長するにつれて休息時間が減り、食餌に費やす時間が増え、活動の時間配分は1年後にのみ大人のものと似たものになった。そのため、若い母子間の行動の同期性は低く、年齢とともに増加した。アジアゾウの行動発達と鼻の運動制御はともに徐々に進行し、成熟するのに約1年を要する。 (舟根)

開講日 | 2024年07月03日 13:00ー16:15 場所 | E304