Seminar

論文紹介(高橋)

研究生の高橋くんが論文紹介をしました。

Observational learning in horses.
ウマの観察学習
Baker, A.E.M. and Crawford, B.H.(1986). Applied  Animal Behaviour Science, 15, 7–13.
DOI: 10.1016/0168-1591(86)90017-1

Abstract
 この実験は、別の馬が2つの飼料バケツのうちの1つに穀物を見つけるのを見て馬が穀物の位置を学習できるかどうかを判断するために設計された。実験群と対照群の両方に、2歳牝馬5頭、2歳去勢馬2頭、3歳去勢馬2頭からなるクォーターホース9頭が含まれていた。2頭の成熟した去勢馬が「デモンストレーター」として使用された。実験群の馬は、デモンストレーターがどちらのバケツから餌を食べるかを1日3回見ることができた。また、対照群の馬は、バケツが置かれていない状態で、デモンストレーターを見ることができた。15日連続で5回ずつ試行を行い、デモンストレーターがいない状態で餌入りのバケツを見つけられるかを調べた。最初の正しい選択と合計の正しい選択の両方、および穀物の入った飼料バケツに到達するまでの時間については、実験と対照の間に有意な差は見られなかった。観察学習は起こらなかったと結論づけられる。
 また、この実験では、餌入りのバケツを見つける時間によって、試行錯誤で学習できる個体を予測できるかも調べた。実験と対照の最後の3試行からのデータを結合した。正しい選択肢の数が中央値を超えた馬では、飼料を見つけるのに必要な時間が大幅に短縮された。最初の5日間で合計された正しい選択肢の数と飼料バケツに行くのに必要な時間の両方が、過去10日間で合計された同じデータを正確に予測した。私たちは、試行錯誤によって迅速に学習した馬は正しい選択を迅速に行い、これらの馬は5日間のテスト後に識別できると結論づける。(高橋)

 

開講日 | 2023年07月19日 13:00~15:00 場所 | E304