Seminar

論文紹介+卒論研究計画相談(中村)

3年生の中村くんが論文を紹介し、その論文に基づいて、卒論研究の計画についても議論しました。

 

The role of cat eye narrowing movements in cat-human communication
(ネコとヒトとのコミュニケーションにおける、ネコの目を細める行為の役割)
Humphrey, T., Proops, L., Forman, J., Spooner, R., & McComb, K. (2020), Scientific Reports, 10, 16503
 
 
Abstract
家畜は、感情に関するものを含む、種間コミュニケーションを促進するヒトの合図に敏感である。目は感情を知らせるうえで重要であり、目を細める行為は様々な種でポジティブな感情コミュニケーションと関連しているようである。本研究では、ネコの行動として広く報告されている、目を細める行為(ゆっくりとしたまばたきの連続)のコミュニケーション上の意義について検討した。ゆっくりとしたまばたきの連続は、通常、一連の半まばたきと、それに続く長時間の目を細める行動、または目を閉じる行動を伴う。実験1では、飼い主とネコの相互作用がない場合と比較して、飼い主がネコに対してゆっくりとしたまばたきの刺激を与えると、ネコの半まばたきや目を細める行動がより頻繁に起こることが明らかになった。また、実験2では、実験者がネコにゆっくりとしたまばたきの刺激を与えると、まばたき刺激を与えず、中立的な表情をした時よりも、ネコが実験者に接近する傾向が高いことが明らかになった。これらの結果から、ゆっくりとしたまばたきの連続は、ネコとヒトとの間のポジティブな感情コミュニケーションとして機能する可能性が示唆された。(中村)

 

開講日 | 2022年10月05日 13:00~15:00 場所 | E304