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瀧本が Morality mod Scienceセミナー@名古屋大学大学院情報科学研究科 で講演しました。

瀧本が名古屋大学大学院情報科学研究科の久木田水生先生主催のMorality mod Scienceセミナーで講演しました。

タイトル:モラルの進化的起源―動物の利他行動と公平感・他者評価に着目して―

要旨:ヒトは困っている人を見かけるとつい手を差し伸べたくなる。そうした利他行動は幼いころから見られ、血縁のない人や見知らぬ人に対して発揮されることもある。しかし、利他者が一方的に他者を助けてばかりいては、他者を助けることで被る損失が埋め合わされず、利他行動が進化することはない。利他行動が進化するには、利他者が助けた相手から直接的に、あるいは助けた場面を見聞きした第三者から間接的に、何らかの見返りを得て損失を埋め合わさなければならない。この互恵的利他行動を支え、利他者を防衛するシステムとして機能した1つが社会的感情であると考えられている(e.g., Trivers, 1985)。つまり、裏切り者検知や裏切り者に対する処罰・裏切りの防止に、公平感や感謝・後悔・罪悪感などの高次感情が役立ったのではないかというわけである。本講演では、まず、それらの高次感情の中でも公平感に着目し、動物の利他行動と公平感・公平感に基づく他者評価に関する比較認知科学的研究の最新成果を紹介する。次に、公平感やそれに基づく他者評価が利他行動の進化に果たした役割を考察する。最後に、公平感がモラルの維持に果たしうる役割について言及しつつ、モラルの進化的起源に迫ってみたい。