21世紀COE 「心の文化・生態学的基盤に関する研究拠点」
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札幌三育小学校における共同フィールドワーク





  このフィールドワークの目的は、少人数マルチエージクラス(多年齢学級教授法)、ポートフォリオ学習、オープンスペースによる教室設計、労作教育など、ユニークで質の高い教育実践を行っている札幌三育小学校を訪れ、そこでの実践の内容を文化・生態学的な観点から検討することにあった。この目的に向けて、2006年2月3日(金)、教育社会学、発達心理学、社会心理学、教育行政学など、異なる背景と視点(学級の社会学、ヴィゴツキアン、ゲーム理論)をもつ研究者が札幌三育小学校を訪問した。

  フィールドワークでは、朝の集会→聖書学習→教科学習(英語・国語・算数・社会)という1日の流れの中で、マルチエージクラスという教授法およびオープンスペースという空間設計が、子ども同士、子ども―教師のインタラクションとどのように関係しているのかに注目した。また教科学習の中で、「らくだ教材」(平井雷太氏の開発によるプリント学習教材)がどのように使われているのかについても、研究者の注目が集まった。

  授業終了後、札幌三育小学校の先生方と研究者の間で意見交換が行われた。意見交換では、まず、下地一市校長から、キリスト教に立脚する三育小学校の沿革と教育理念について説明があり、引き続いて、大河原一義教頭から具体的な教育実践について、大部の資料に基づく説明があった(なお、この資料は同校のホームページで公開されている)。研究者サイドからは、フィールドワークでの観察に関する解釈が呈示された。その中では、オープンスペース(「ラーニングセンター」)という独自の教室設計が子ども・教師の動線を規定し、教室での有効なインタラクションを下支えしているのではないかなどといった指摘がなされた。また、プリント学習(「らくだ教材」)の効果と問題点、農園を中心に展開されている「労作教育」による学習など、三育小学校におけるユニークな教育実践のさまざまな側面について活発な議論が行われた。

  こうした議論では、これまでの到達点と問題点の分析、札幌三育小学校の教育実践が全国的にもつ意味などについて率直な意見交換が行われ、教員、研究者の双方にとって非常に有意義なフィールドワークとなった。

日時:2006年2月3日(金)8:40-18:00
場所:札幌三育小学校
参加者(敬称略):
  札幌三育小学校(下地一市・大河原一義・大橋拓也・寺下美和・安河内アキラ)
  萩原元昭(埼玉学園大学人間学部・教育社会学)
  古賀正義(中央大学文学部・教育社会学)
  石黒広昭(北海道大学教育学研究科・発達心理学)
  森祐二(三育学院短期大学・教育学)
  亀田達也(北海道大学文学研究科・社会心理学)
  篠原岳司(北海道大学教育学研究科修士課程・教育行政学)

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