Seminar

「心と行動の進化を探る」第6章(川瀬)・論文紹介(馬場)

1. 「心と行動の進化を探る」第6章 (人間行動の観察法) (川瀬)
 
2. 論文紹介
Partner’s Stress Status Influences Social Buffering Effects in Rats
「パートナーのストレス状態が、ラットにおける社会的緩衝効果に影響する」
Kiyokawa, Y., Kikusui, T., Takeuchi, Y., & Mori Y. (2004) Behavioral Neuroscience, 118(4), 798-804. DOI: 10.1037/0735-7044.118.4.798

社会的パートナーのストレス状態と社会的緩衝効果との関係が、大人のオスのウィスターラットにおいて検討された。恐怖条件付けされたラットが、ショックを受けたパートナーかショックを受けていないパートナーのどちらかと一緒に、同じ状況にさらされた。社会的緩衝効果を比較するために、体温と行動反応の変化を観察し、室傍核中のFos蛋白を免疫染色した。パートナーのラットの存在は、ストレスによる高体温・行動反応・恐怖を与える状況への反応におけるFosの表出を減少させた。また、ショックを受けていないパートナーの方が、ショックを受けたパートナーよりも効果的であった。これらの知見は、社会的緩衝効果は、一緒にいる仲間の動物のストレス状態によるということを示唆した。(馬場)

開講日 | 2018年05月30日 14:45~18:00 場所 | E304