Seminar

論文紹介(谷藤、山口)

Individual Differences in the Behaviors of thoroughbred Dams snd their Foal.
(サラブレッドの母子にみられる行動の個体差)
Kusunose, R. & Sawazaki., H. (1984). Japanese Journal of Zootechnical Science, 55 (4), 272-278.

サラブレッド母子間の関係性のタイプを分類するため、子の年齢が3週~6ヶ月の期間において、放牧地における6組のサラブレッドの母子間の距離を記録・分析した。それぞれの母子間の距離は子の年齢とともに長くなる傾向が見られた。期間中、毎分ごとに記録された母子間の距離の分布は幾何分布に従っていた(f (x) = pq x−1 x=1,2,3…)。その平均距離と子同士の遊びの頻度における正の相関は特にオスの子において観察された(P < 0.001)。平均距離はまた子の授乳間隔とも有意な相関を示した(P < 0.02)。母子間の平均距離は子の年齢が9~22週においては比較的一定であったが、その間に個体差が顕著に見られることもわかった。これらのことから、母子間の関係性のタイプは子の年齢が9~22週の期間の母子間の平均距離レベルによって分けることができるのではないかと考えられる。(谷藤)

Breed Differences in Dopamine Receptor D4 Gene (DRD4) in Horses.
(ウマにおけるDRD4多型の品種差) 
Hori, Y ., Ozaki, T ., Yamada, Y ., Tozaki, T ., Kim, H ., Takimoto, A ., Endo, M ., Manabe, N ., Inoue-Murayama, M . & Fujita, K. (2013) Equine Science, 24(3), 31-36

神経伝達物質やホルモンと関係する遺伝子の多型は、ヒトを含む多くの動物種の性格や行動特性に影響している。家畜動物において、そのような遺伝子のアレル頻度は品種間で異なることが報告されており、その違いは行動における品種差の原因となる。本研究では、ウマの性格に影響を与えるとされるドーパミン受容体D4遺伝子(DRD4)の、ウマにおける品種差を調べた。日本と韓国原産の7つの品種を被験体とし、それらの品種間のDRD4のエクソン3領域の配列を比較した。エクソン3領域内に2つの遺伝子多型(VNTRとSNPs)がみられ、それらのいくつかの多型は品種特有のものと考えられた。加えて、ウマの性格と関係しているとされるG292Aのアレル頻度は、日本の在来馬とサラブレッドの間で大いに異なった。好奇心の低さや警戒心の高さと関係するAアレルの頻度は、サラブレッドよりも日本の在来馬において低い結果が得られた。この違いは、性格や行動特性の品種差の理由を説明する可能性がある。それらの遺伝子多型の機能や行動への効果についての更なる研究が、その兆しとなる。(山口)

開講日 | 2016年11月09日 14:45-18:00 場所 | E304