卒論研究についての相談(林)・論文,修論研究紹介(中村)
4年生の林くんが卒業論文研究についての進捗と詳細をみんなと共有し、議論しました。また、M2の中村さんが論文紹介を行い、進行中の修士論文の研究についてもみんなで議論しました。
Knowledge of lateralized brain function can contribute to animal welfare.
脳機能の側方化に関する知見は動物福祉に寄与する可能性がある
Rogers LJ (2023) Front. Vet. Sci. 10:1242906.
要旨
脊椎動物の右脳・左脳が持つ特殊な機能について、 刺激に注目し反応するために使用される目や耳によって示される、 家畜や伴侶動物における側方行動の現在の証拠とともに要約する。 左利きと右利きの霊長類、左利きと右利きのイヌやネコ、 左利きと右利きのウマの行動の違いからわかるように、 前肢嗜好性も大脳半球側性の現れである。 左肢選好は右半球の使用を反映し、 負の認知バイアスと関連している。 正の認知バイアスは右肢と左脳の選好と関連している。 側方化の強さは行動とも関連している。脳の側方化が弱い動物は、 一度に複数の課題に集中することができず、 側方化が強い動物よりもストレスを感じやすい。この違いは、 四肢嗜好の強い家畜種と弱い家畜種の間にも見られる。 左肢または両側性選好を持つ個体は、 右脳の機能発現に偏りがあり、恐怖心や攻撃性が高まり、 ストレスに対してより敏感になる。 側方化された行動を認識することで、 恐怖や苦痛を受ける可能性の高い動物を検出し、 ストレスの原因となる飼育条件や取り扱い方法を示すことで、 福祉を向上させることに繋がるかもしれない。(中村)
開講日 | 2024年06月05日 13:00ー16:15 場所 | E304