Seminar

輪読会⑧「進化でわかる人間行動の事典」噂をする・だます(長瀬)・論文紹介と装置模型のお披露目(米村)

今日は、3年生の長瀬さんが、先週に引き続き、「進化でわかる人間行動の事典」の「噂をする・だます」を発表しました。続いて、修士2年の米村さんが論文紹介をした後、新しい研究で用いる装置の模型を披露しました。

A comparative approach to affect and cooperation.
Massen, J. J. M., Behrens, F., Martin, J. S., Stocker, M., & Brosnan, S. F. (2019).  Neuroscience and Biobehavioral Reviews, 107, 370–387. 
DOI: 10.1016/j.neubiorev.2019.09.027

Abstract
比較感情学では、ヒトを含む様々な生物種の感情現象を比較することで、感情の原因と結果について理解することができると考えられている。情動が動物間で広く共有されていることは当然として、各生物種の情動体験を正確に表現することが重要な課題である。同じ課題が使用されていれば、行動反応を直接比較することができるという仮定のもと、行動と認知の比較研究において一般的なアプローチは、種を超えて使用できる標準的な実験パラダイムを開発することである。この仮定は、2つの前提条件に基づいている。第1に、これらのパラダイムに対する異なる種の知覚と感情反応は同じであること、第2に、これらのパラダイムに対する行動と生理的(内分泌と神経を含む)反応は相同であることだ。これらの仮定のいずれかが正しくない場合、異種間での比較は難しい。本論文の目的は、このような比較研究に用いられてきた主要なパラダイムを要約し、特に協力に関する文献によく見られるパラダイムに焦点を当て、これらのタスクがどのような感情状態を測定できるか、あるいは測定すべきかという主要な仮定を批判的に議論することにある。そして、この実験方法の利点と欠点にこれにより、研究者が感情研究に内在する落とし穴を認識・回避し、動物界全体の感情を調べるための生態学的に適切な新しいパラダイムを創造するための刺激となることを期待している。(米村)

開講日 | 2023年06月21日 13:00~16:15 場所 | E304