Seminar

ゼミの訓示・論文紹介(米村)

M1が1名・3年生が4名・研究生1名を新たに迎え、計9名で新年度のゼミを始動しました。自己紹介・訓示の後、M2の米村さんが、院ゼミの予行練習を兼ね、論文紹介をしました。

Are nonhuman animals averse to inequity? A meta-analysis [Pre-Print]
ヒト以外の動物は不公平を嫌うのだろうか?メタ解析
Ritov, O., Völter, C., Raihani, N., & Engelmann, J. (2023) PsyArXiv.
DOI: 10.31234/osf.io/86vkf.
Abstract
不公平忌避とは、他者より少ない(または多い)ものを受け取ることに対する否定的な反応であり、ヒトの公平感の重要な構成要素である。不公平忌避は、カラス、マウス、イヌ、チンパンジー、ヒトなど多様な動物種に共通し、動物界に広く存在するとする説がある一方、非同族間の協力という選択圧に対するヒトだけの進化的適応であるとする説がある。この議論に欠かせないのが、ヒト以外の動物が資源の不平等な分配を嫌うかどうかという問題である。過去20年以上にわたって、研究者たちは幅広い分類群の種が不平等な扱いに反対することを報告してきた。しかし、これらの結果は、概念的・実証的な理由から疑問視されている。本研究では、ヒト以外の動物における不公平忌避の実証的研究としては最大規模となる、18種60,430試行の実験データを統合し、その結果を報告する。その結果、ヒト以外の動物に不公平忌避があることを示す証拠は見つからなかった。このデータの代替的な解釈と、公正の進化への影響について議論する。(米村)

 

開講日 | 2023年04月12日 13:00~16:15 場所 | E304