Seminar

論文紹介(鎌谷)、卒論発表会予行練習Part2(吉岡)

心理学研究室博士課程2年の鎌谷さんが論文紹介をしました。また、学部4年の吉岡くんが卒論発表会の予行練習2回目をおこないました。

 

Rhesus macaques build new social connections after a natural disaster

「アカゲザルは自然災害の後に新しい社会関係を築く」

Testard, C., Larson, S. M., Watowich, M. M., Kaplinsky, C. H., Bernau, A., Faulder, M., … & Brent, L. J. (2021). Rhesus macaques build new social connections after a natural disaster. Current Biology31(11), 2299-2309. https://doi.org/10.1016/j.cub.2021.03.029

気候変動により,頻繁に厳しい台風,森林火災,洪水,旱魃といった気象関連災害は増加している。それら強いストレッサーとその余波への回復と脆弱性を理解することで,極端な環境変化への適応を明らかにすることができる。2017年,プエルトリコは最悪な自然災害,ハリケーンマリナに苦しめられ,3000人の死者と精神衛生の危機を残していった。アカゲザル (Macaca mulatta) の生息地のカヨ・サンティアゴもハリケーンによって荒廃した。本研究では,ハリケーン前後でのアカゲザルの2群のソーシャルネットワークを比較し,主にハリケーン前に社会的に孤立していた個体によって,親和的な社会的つながりが増加していることを見出した。さらなる分析の結果,アカゲザルは既存の関係性を強化するというよりは,新たな関係を構築することに投資をしていることが明らかになった。環境の不安定性への社会的適応は,急激に変化する人間が原因の環境でアカゲザルが成功するための素因かもしれない。(鎌谷)

開講日 | 2022年01月26日 13:00 ~ 16:30 場所 | E304