Seminar

論文紹介(小野)

3年生の小野さんが論文紹介をしました。

Humans attention affects facial expressions in domestic dogs
「ヒトの注意は飼いイヌの顔の表情に影響する」
Kaminski, J., Hynds, J., Morris, P., & Waller, B. M. (2017). Scientific reports, 7(1), 12914.
https://doi.org/10.1038/s41598-017-12781-x

多くの哺乳類の種は顔の表情を形成する。歴史的に、動物の顔の表情は、他者とのコミュニケーションを積極的に図るものというよりも、柔軟性がなく無意識な感情の表示であると考えられてきている。近年の研究では、飼いイヌの表情が、聴衆およびに覚醒刺激(例、餌)の、または聴衆か覚醒刺激どちらかのみの影響を受けやすいのかどうかを調べることを試みている。我々はイヌに、ヒトの呈示者が彼らに注意を向けているまたは顔を背けており、餌を見せるか見せないかを変えるという実験状況をイヌに呈示した。イヌは、ヒトが注意を向けている時の方が、そうでない時よりも顕著により多くの顔の表情を形成した。しかしながら、非社会的だが覚醒的な刺激として使用された餌は、イヌの行動に影響しなかった。それゆえ近年の研究は、顔の表情を作る時イヌはヒトの注意の状態に敏感であるという証拠であり、顔の表情はただ柔軟性のない無意識な感情の表示ではなく、むしろ他者とコミュニケーションをとるための潜在的かつ積極的な試みであることを示唆している。(小野)

開講日 | 2019年11月20日 14:45-16:15 場所 | E304