Seminar

論文紹介(鎌谷)・「心と行動の進化を探る」第2章 第3章(井上・明日香)

1.心と行動の進化を探る 第2章(ヒトはなぜ助け合うのか) 紹介 (井上)

2.心と行動の進化を探る 第3章(ヒトはなぜ違うのか) 紹介 (明日香)

3. The evolutionary origins of friendship
「friendship(友情)の進化的起源」
Seyfarth, R.M., & Cheney, D.L. (2012) Annual review of psychology, 63,153-177
DOI: 10.1146/annurev-psych-120710-100337

様々な種から集まった証拠は、人間のfriendshipの進化的起源を明らかにする。ウマや、ウシやハイエナ・イルカやサル、そしてチンパンジーにおいて、いくつかの個体は何年も続くfriendshipを形成する。絆はメス間・オス間・あるいはオスとメスの間で生じる。遺伝子的な関連性はfriendshipに影響する。オスが(出生地から)散らばる種においては、friendshipはメス間で形成される傾向がある。もし、メスが散らばるなら、friendshipはオス間で形成される傾向がある。しかし、すべてのfriendshipが血縁関係に依存しているわけではなく、無関係の個体間で形成されることも多い。friendshipはしばしば時間を隔てた協力的なやりとりを含む。少なくともある部分では、彼らは過去のやりとりと関連付けられた記憶や情動に依存している。“friendship”という用語を動物に当てはめることは、擬人化ではない。多くの研究は、動物自身が他者の関係を認識していることを示している。friendshipは適応的である。オスの同盟は優れた競争能力と繁殖成功率をあげる一方で、最も強く、最も永続的なfriendshipを持つメスはストレスが軽減され、赤ん坊の生存が高まり、長生きする。(鎌谷)

開講日 | 2018年05月16日 14:45~18:00 場所 | E304