Seminar

文献紹介(磯野、野崎) 研究相談(野崎)

3年生の磯野さん、院2年生の野崎さんが文献紹介、野崎さんが研究相談を行いました。

紹介文献

Personality homophily drives female friendships in a feral ungulate 野生化偶蹄類における性格の類似性がメスの友好関係を促進する
Bhattacharjee, D., Flay, K. J. and McElligott, A. G. (2024). iScience, 27, 111419.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.isci.2024.111419

Personality homophily drives female friendships in a feral ungulate

Abstract 

香港・ランタオ島に生息する野生化水牛(Bubalus bubalis)の2つの群れに属する成体メス30頭を対象に、性格の類似性が友好関係に影響しているかを検証するため、長期的な行動観察を実施した。本研究では、個体間の空間的近接性を友好関係の指標とし、それが親和的な身体接触の頻度と正の相関があることを確認して妥当性を検証した。まず、特定の行動変数を用いた主成分分析(ボトムアップ法)により、水牛の性格として「社会的緊張」「警戒心」「一般的優位性」の3つの特性を抽出した。次に、これらの性格スコアの差と友好関係の強さを分析したところ、「社会的緊張」と「一般的優位性」において、性格が似ているペアほど、空間的近接性が高く、強い友好関係にあることが示された。一方で、非社会的な特性である「警戒心」の類似性は友好関係に影響を与えなかった。さらに、従来友好関係を予測すると考えられてきた年齢の類似性、血縁関係、および優位順位の差は、いずれも水牛の友好関係を有意に説明しなかった。以上の結果は、性格の類似性が、友好関係を形成する際の意思決定ルールとして機能しており、この原理がヒトや霊長類に限らず、偶蹄類を含む広範な分類群に適用できる一般的なものである可能性を示唆している。(磯野)

Emotional Transfer in Human–Horse Interaction: New Perspectives on Equine Assisted Interventions. 人間と馬の相互作用における感情伝達:馬介在療法に関する新たな視点

Scopa, C., Contalbrigo, L., Greco, A., Lanatà, A., Scilingo, E. P., & Baragli, P.

Animals 2019, 9, 1030.

https://doi.org/10.3390/ani9121030

Abstract

馬介在療法(EAI)は、馬を人間との様々な活動に活用している。人間との相互関係を築くために高度なコミュニケーション能力を発達させてきた馬の社会情緒的能力に基づき、本研究では、介入中に異種間の情緒転移が生じるという仮説を立てた。情緒転移仮説は、相互作用中に結合プロセスを経る人間と馬の情緒状態の相互調整を示唆している。このメカニズムは、人間と馬の情緒的微調整に関する既存の研究ではほとんど裏付けられていないが、EAIにおいて重要な役割を果たす可能性がある。将来的には、AAIに関わる動物の情緒状態を理解することで、動物と人間の両方の幸福度を向上させ、運用戦略をより標準化するのに役立つと考えられる。(野崎)

 

 

開講日 | 2026年07月01日 13:00~16:15 場所 | E304