文献紹介(舟根)・研究紹介および相談(倉田)
3年生の舟根さんが文献紹介をしました。また、3年生の倉田さんが卒業研究の紹介および相談をし、みんなで議論をしました。
Behavioural variability among captive African elephants in the use of the trunk while feeding
飼育下のアフリカゾウにおける、鼻を用いた摂食行動の多様さ
Lefeuvre, M., Gouat, P., Mulot, B., Cornette, R., & Pouydebat, E. (2020). Behavioural variability among captive African elephants in the use of the trunk while feeding. PeerJ, 8, e9678.
要旨
プロボスキディア目に属する哺乳類、つまりゾウは、地球上の陸上動物の中で最大である。彼らの体が急速に大型化した結果として、鼻が発達したと考えられる。この鼻は多機能で非常に敏感な器官であり、多くの行動に使用されている。鼻には骨がないため、全方向に自由に動かすことができる。この動きの自由度が、個体レベルでの戦略を支えている可能性がある。我々は、簡単な作業において行動の多様性が高まり、使用される行動と食物の形やサイズに関連があると仮定した。飼育されているアフリカゾウの群れを観察することで、摂食行動における鼻の動きの完全なカタログを作成することができた。私たちは、操作の戦略と食物の特性が行動に与える影響を記録した。その結果、特定の食物は限られた行動で操作され、いくつかの行動は特定の形状の食物にのみ関連していることが明らかになった。主要な5つの採餌行動に関する研究は、ゾウ間での顕著な変動を示している。各個体は、少なくとも1つの行動の割合において他の個体と異なり、すべての行動が異なる割合で実行されている。これらの結果は、ゾウが生涯を通じて、操作する対象に適応した個別の戦略を発展させ、それによって採餌効率を高めていることを示唆している。
開講日 | 2024年10月23日 13:00~16:45 場所 | E304