Seminar

論文紹介(長瀬)

3年生の長瀬さんが論文紹介をしました。

乳児期の学習における明示シグナル の役割とその機能:ナチュラル ・ペダゴジー理論から
奥村優子・鹿子木康弘 (2018). ベビーサイエンス, 18, 38-49.

Abstract
発達早期から、乳児は養育者をはじめとした他者から の教えに基づく学習、つまり社会的学習を行っている。 本稿では、乳児期の社会的学習がどのように成立してい るかを明らかにすることを目的とする。まず、コミュニ ケーションを介した社会的学習理論として近年注目され ているナチュラル・ペダゴジー理論を紹介する。特に、 コミュニケーションの意図を示す明示シグナル(osten sive signals)に注目し、明示シグナルが乳児の学習にお いてどのような役割を担い、機能するかを概観する。具体的には、明示シグナルが乳児の学習を促進する効果をもつこと、共通認識に重要とされる一般化可能な情報獲得(generalizability)を促す機能があること、さらにその影響の強さからときとして誤った学習に導く事例を紹介 する。そして、明示シグナルは、単なる注意の覚醒によっ て説明されず、それ以上の影響力をもつことを示した研 究結果を述べる。最後に、今後明らかにされるべき課題 を提起し、乳児の社会的学習メカニズムの理論化といった基礎的な側面の解明だけでなく、効果的な学習の実現 といった応用的側面にも繋がる可能性について議論する。(長瀬)

開講日 | 2023年09月27日 13:00ー14:30 場所 | E304