論文紹介(和田)+修論研究計画の相談(上田)
3年生の和田さんが論文紹介をしてくれました。また、修士2年生の上田さんが修論研究計画の相談をしました。
Alarm calls evoke a visual search image of a predator in birds
「鳥類において警戒音声は敵の視覚探索イメージを想起させる」
Suzuki, T. N. (2018). Proceedings of the National Academy of Sciences of the United states of America, 115(7), 1541-1545.
DOI: 10.1073/pnas.1718884115
ヒトの言語の中核になる特徴のひとつは、語が聞き手に対応する心的視覚イメージを想起させることである。しかし、動物のコミュニケーションシステムにおいて音声が対応する心的イメージを想起させるかどうかは驚いたことにまだ知られていない。シジュウカラ(Parus minor)は、天敵のヘビに出会ったときにだけ特異的な警戒音声を発する。本研究では、シジュウカラはこの音声を聞くだけで、ヘビに似ている物体に対してより視覚的に知覚することを示す。ヘビに特異な警戒音声を再生している間、シジュウカラはヘビに似た動きの木の棒に近づく。しかし、シジュウカラは別の音声パターンを聞いているときや、棒の動きがヘビの動きと似ていないときには同じ棒に反応しない。このように、本物のヘビを見つける前に、シジュウカラはヘビに特異な警戒音声から視覚イメージを想起し、ヘビを探し出すために利用している。本研究は、ヒト以外の動物において音声が視覚探索イメージを想起させることの証拠を提供し、野生での動物の音声コミュニケーションの認知基盤を探求するパラダイムを提議する。(和田)
開講日 | 2019年06月20日 14:45~18:00 場所 | E304