News

瀧本が 公開講座「恋する人間」@北海道大学文学部 で講演しました。

瀧本が北海道大学文学部公開講座「恋する人間」(https://www.let.hokudai.ac.jp/event/2017/04/12330/)で講演しました。

タイトル:

 求め合うこころ―伴侶動物と育んできた絆―

要旨:

 私たち人間が恋をするのは人間だけではありません。ペットを飼ったことがある人なら誰もが、そのペットのことを家族のようにかけがえのない存在であると感じたり、恋しく思ったりしたことがあるはずです。このように私たち人間の家族や社会の一員のようになっている動物のことを伴侶動物(コンパニオンアニマル)と言います。

 伴侶動物にはイヌやネコ・ハムスター・ウマなどが含まれます。特に日本では、伴侶動物の代表格であるイヌやネコの飼育数がそれぞれ約1000万頭にものぼり、伴侶動物がストレス社会で果たす役割は年々大きくなってきています。彼らは今や私たちがよりよく生きるために不可欠な存在となりつつあるでしょう。

 では、なぜ彼らは伴侶動物となりえたのでしょうか。なぜ私たち人間と伴侶動物はこんなにも互いを求め合い、慈しむことができるようになってきたのでしょうか。そうした疑問を解き明かすため、動物心理学では、伴侶動物が人間とのコミュニケーションにおいてどのようなシグナルを認知・理解しているかなど、伴侶動物のこころに関する基礎的な研究を進めています。そうした科学的知見の積み重ねにより、人間と伴侶動物との共生に貢献することを目指しています。本講義では、伴侶動物の中でもイヌとウマに注目し、彼らと人間がなぜ・どのようにして強く優しい絆を育み、これほどまでに互いを求め合う関係に至ったのか、そのこころの仕組みについて、最新の研究成果を交えながら、お話したいと思います。