世代間利他主義と世代間衡平性:排出ギャップの源泉
日時: 2025年2月19日 (水) 14:45-15:45
場所: 文学部E棟E304室
Zoom:
スピーカー: 赤尾健一 (早稲田大学社会科学総合学術院・教授)
概要:
排出ギャップとは、現在計画されている気候変動緩和政策に基づく温室効果ガスの排出予測と、国連気候変動枠組条約の下でパリ協定において合意された1.5度(または2度)目標を達成するために必要な効率的な温室効果ガス排出経路との間の乖離を指す。この乖離は、将来世代のために我々が実際に行おうとしていること(世代間利他主義)と、彼らのために行うべきだと考えること(世代間衡平性)との違いを反映している。排出ギャップの解消は、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠であり、そのためには、世代間利他主義を強化するとともに、1.5度目標の根底にある世代間衡平性の倫理への支持を広く獲得することが求められる。以上の問題意識に基づき、本研究では、世代間利他主義と世代間衡平性をめぐる経済学を中心とする社会科学の諸議論を紹介し、検討する。
参加者:8名

