子どもの主観的経験とその構造
日時: 2024年9月4日 (水) 15:00~16:30
場所: 文学部E棟E304室
Zoom:
スピーカー: 森口佑介先生(京都大学大学院文学研究科・准教授)
概要:
発達心理学の偉大な先人Jean Piagetは、子どもの言語報告をもとに、子どもの主観的経験に関する洞察を提供した。だが、その後の研究者たちは、ピアジェの方法論を批判し、子どもの観察可能な行動の検討に軸足を移したため、子どもの主観的経験についての経験的な証拠はほとんど報告されていない。本トークでは、子どもの主観的経験とその構造に関する我々の研究について紹介する。まず、子ども特有の主観的経験であると考えられる「空想の友達」に関する研究を紹介する。空想の友達は、幼児期に特徴的な遊びで、想像上の他者をまるで現実に存在するかのように扱う現象のことである。次に、現在進めている色に関する子どもの主観的経験の構造とその発達に関する研究について紹介する。このようにPiagetの洞察を現代的な方法で発展させることで、子どもの主観的経験の豊かさと複雑さを明らかにし、子どもの主観的経験の新しい理解を目指す。
参加者:13名