日時：2023年7月31日(月)13:00-14:00
場所：文学部E棟3階E304室
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スピーカー：中村栄太(京都大学白眉センター、特定助教)
タイトル：音楽文化の知能科学への機械学習と進化過程のモデルに基づくアプローチ

概要:
音楽の創作と理解に関する知能のモデルは、過去数十年間に渡る機械学習研究により大きく発展し、高 品質の自動作曲や音楽認識技術が実現しました。そして、音楽創作スタイルの時代変化を調べる大規模 データ分析が近年盛んになっており、様々な定量的性質が明らかになりつつあります。一方で、生物や 物理分野では進化過程モデルに基づく文化進化研究が広範囲の現象を対象として発展しました。生物進 化学が遺伝モデルと進化の実験データ、進化動力学理論の統合的発展により進展したのと同様に、現在 のこうした状況は、創作文化進化の研究を大きく進展させられる可能性を示しています。本講演では、 音楽の知能情報学と定量進化分析に関する研究動向について解説した後に、機械学習と進化過程のモデ ルを統合するアプローチによる、創作文化進化の分析・予測・合成の科学に向けた我々の研究について 紹介します。また、生成系AIが急速に普及する今後の社会で必要になると考えられる、多くの分野を横 断する文化進化研究の意義についても議論したいと思います。