生成変化の場としてのフィールドワーク ―カナダ・ユーコン準州における先住民コミュニティと北海道での狩猟実践を通して
日時:2022年2月10日 (木) 14:45-16:15
場所: Zoomでのオンライン開催
タイトル: 生成変化の場としてのフィールドワーク ―カナダ・ユーコン準州における先住民コミュニティと北海道での狩猟実践を通して
スピーカー: 山口未花子(北海道大学文学研究院・准教授)
アブストラクト:
人間とはどのような存在かを探ろうとする諸学問の中で、人類学最大の独自性は長期のフィールドワークによってそこに迫るという方法論にあるのではないだろうか。さらに近年の人類学において重視されるようになっているのが、人類学者自身がフィールドに参与し、現地の諸存在と共にその場をつくるアクターでもあるという点である。
本発表では、こうした状況を踏まえ単に現場の人々の生活を記載することを越え、人類学者自身が参与し、ともに生成変化するとはどのようなことか、また人以外の諸存在をどのようにフィールドワークの中で知覚し、描くことが可能なのかという点について考えてみたい。具体的には発表者自身のカナダ先住民に狩猟を学ぶことを通して獲得した知恵と、その後単独で狩猟を行う中でより直接的に動物との相互交渉を通して見えてきたものについてお話ししたい。さらに、具体的なフィールドへの入り方や、気を付けるべき点などについても紹介する予定である。
参加者:24名