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ワークショップ

2017

生き物によるものづくり:カラスの道具とムシクイの巣

日時:2018年3月17日(土)10:00-11:30

場所:北海道大学文学研究科 E304教室

参加者:竹澤正哲、瀧本彩加、松島俊也、田村光平(東北大学)、他7名(計11名)

スピーカー:菅澤 承子 博士(日本学術振興会海外特別研究員・セントアンドリューズ大学生物学部)

タイトル:生き物によるものづくり:カラスの道具とムシクイの巣

アブストラクト:鳥や魚、虫などさまざまな生き物が、繁殖や休息に使うための巣や、食物を得るための道具を作る。こういった構造物を作るものづくり行動の進化には、行動の成果である巣や道具といった構造物のかたち、それらが構造物の機能に与える影響が重要と考えられる。本発表では、こうした「生き物によるものづくり」の例として、ニューカレドニアガラスによる鉤型の道具作成とオナガムシクイの巣作りを紹介する。ニューカレドニアガラスは南太平洋ニューカレドニアの固有種であり、植生から幼虫などを取り出すために鉤型の道具を作る。野生捕獲された個体を用いた行動実験により、この鉤型の道具の形状が、カラスの年齢・道具の作成方法・植物素材の材質といった要因に左右されること、そして鉤の深さがカラスの採食効率に影響していることがわかった。こうした内的・外的要因が構造物の形状に及ぼす影響のさらなる事例として、英国イングランドの異なる個体群におけるオナガムシクイの巣作りの様子を紹介する。