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ワークショップ

2016

事象間の随伴性判断と意図的行動の機構について

日時:2016年11月22日(火)14:45-16:15

場所:北海道大学人文社会科学総合教育研究棟4階 W409室

スピーカー:神前裕 特任助教(慶應義塾大学先導研究センター/心理学研究室)

参加者:結城雅樹、大沼進、瀧本彩加、高橋伸幸、竹澤正哲、他20名(計25名)

タイトル:事象間の随伴性判断と意図的行動の機構について

アブストラクト:無脊椎動物からヒトまで多くの動物が、食物や外敵など生存にとって重要な刺激事象が生じたときに、それに先行する別の刺激事象あるいは自らの随意行動にその原因を帰属させ、反応・行動を適応的に調節する機構を持っています。前者はパヴロフ型条件づけ、後者は道具的条件づけとして知られますが、そのいずれにおいても、複数の潜在的な原因―結果関係の中から真の随伴関係を抽出することが重要となります。これを可能にする手段として、毎回の結果事象に対する予測誤差を複数の先行事象に割り振る漸次的学習過程が多くの学習理論で仮定されています。今回のワークショップでは、まず阻止や隠蔽といった基本的な刺激競合現象が実験箱の外での空間学習場面においても見られるかという点について主にラットを用いて検討した研究を紹介し、上記の学習原理の普遍性および生物学的機能について議論したいと思います。後半では、私たちの目的的な随意行動に焦点を当て、行動が行動―結果間の随伴性および結果の予測価による制御から離れていく仕組みを検討した研究を紹介します。最後に、こうした学習行動の基本原理に関する研究と、より高次な社会認知・行動、あるいはその障害を対象とした研究との接点について考えてみたいと思います。

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