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ワークショップ

2015

カラスを以てヒトを考える:認知・行動の進化における社会生態と身体との関係

日時:2015年10月16日(金)15:30-17:00

場所:北海道大学文学研究科 E304教室

スピーカー:伊澤栄一 准教授(慶應義塾大学文学部)

参加者:竹澤正哲、大沼進、高橋伸幸 ほか27名(計30名)

タイトル:カラスを以てヒトを考える:認知・行動の進化における社会生態と身体との関係

アブストラクト:道具使用や心の理論など,従来大型類人猿だけに備わると考えられてきた高次認知機能が、大脳“皮質”のない鳥類カラスも備えていることが近年の動物行動・比較認知研究によって明らかにされてきた。このことは,高次認知機能が系統発生や脳・身体構造の差異を超えて独立に生じるという収斂進化の好例である。本講演では,ハシブトガラスを対象に,若鳥が形成する群れの構造、ならびに、個体間コミュニケーションの機能と心理基盤について紹介する。一方で、脳と身体に眼を転じ、個体間コミュニケーションの心理基盤を理解する上で、霊長類と異なる身体デザインがもらたす問題をカラスがどう解決しているか解明する必要性についても論じたい。これらを通じ、認知機能の進化を探る上で社会生態と脳・身体構造という三者間の関係を統合的に理解する意義について議論したい。