物体知覚における空間的統合と注意:出現物体上の活性化拡散を指標とする検討
※本ワークショップは、社会科学実験研究センターと卓越した大学院拠点形成支援「心の社会・生態学的基盤に関する教育研究拠点SEFM」との共催で行われました。
日時:2014年3月20日(木)
場所:北海道大学文学研究科 E204室
参加者:結城雅樹、大沼進、竹澤正哲、高橋伸幸 ほか15名(計19名)
スピーカー: 河西 哲子 准教授(北海道大学教育学研究院)
タイトル: 「物体知覚における空間的統合と注意:出現物体上の活性化拡散を指標とする検討」
概要
私たちが意図せずに「もの」を単位として見ることには,断片や特徴に注目しても,それらが属する物体全体の表象が強制的に活性化される物体ベースの注意(object-based attention)の機能が関わる。この神経メカニズムに関する研究は主に,物体があらかじめ存在する状況で調べられている一方で,私たちの研究室では物体の出現に伴う活性化拡散の時間的推移を,事象関連電位を用いて検討している。その中で,出現物体はあらかじめ存在する物体と類似した初期の空間的注意過程だけでなく,後続の注意過程を誘導することが示された。今回は新たに行った,物体による一連の空間的注意誘導過程の機能的意義を明らかにするための実験を紹介する。また,それら過程の個人差や学習との関連についても触れる。