第21回国際ワークショップ
※本ワークショップは、北海道大学社会科学実験研究センターとの共催で行われました。
スピーカー: Yen-Sheng Chiang (Department of Sociology,University of California, Irvine)
発表タイトル: Group homophily and the emergence of upstream reciprocity
日時: 2010年8月24日 (火曜日) 10:00~12:00
場所: 北海道大学大学院文学研究科E204
参加者: 高橋伸幸、亀田達也、山岸俊男、結城雅樹、高橋泰城、ほか20名
内容:
互報性は、資源を与えた者にお返しをすることと定義される。上方互報性(upstream reciprocity)はこの定義を拡張し、もともと資源を与えた者とは違う人に「お返し」をする社会システムである。このような現象は日常的にはよくみられるが、こうした社会システムがどのように進化したのかについては解き明かされていない。Nowak & Roth(2007)の先行研究を発展させ、著者はどのようにネットワーク構造が上方互報性の進化に影響を与えるのかを検討する進化モデルを構築した。具体的には、ネットワークのタイ(結びつき)の程度を操作することによって、集団内のタイと集団間のタイの頻度分布の影響力を検討した。このモデル研究の結果から、集団の同質性と異質性、そして協力行動の進化ダイナミクスとの関係について考察する。