動物の暮らしを観て、心を探る、ヒトを知る
CERSSコロキウム | 2024.2.15

日時:2024年2月15日(木)10:00-11:30
場所:文学部E棟3階E304室
スピーカー:中道正之 (大阪大学名誉教授)
タイトル:動物の暮らしを観て、心を探る、ヒトを知る

概要:
ヒトへの進化のプロセスの解明を究極の目標に、野生のニホンザルの「顔を覚えて名前を付ける(個体識別)」という1950年代の当時では斬新な、しかし、擬人的という批判もあった方法を用いて観察することから、日本のサル学は始まった。この個体識別を用いて、今日に至るまで、日本や世界の研究者がアジア、アフリカ、南米に生息する多くのサル類やゴリラやチンパンジーなどの大型類人猿の観察を行い、進化の隣人であるヒト以外の霊長類の暮らしと心を明らかにしてきた。本セミナーでは、報告者が「個体識別した動物の行動を見て、記録する」という最も素朴な研究手法で観察してきたニホンザルや他の霊長類(動物園のゴリラと野生のワオキツネザル)の子育て、そして、動物園で暮らす野生動物のクロサイとキリンの子育てを紹介する。また、ヒト以外の動物の行動から見えてくる「ヒト」についても語ってみる。以下のような話題を予定している。(1)サルの出産とヒトの出産、(2)母ザルの子育てスタイル、(3)柔軟な子育て:四肢障がいのある子ザルへの母ザルや他のサルの行動、(4)クロサイの追従型の子育てとキリンの置き去り型の子育て、(5)祖母仮説:ヒトの祖母とサルの祖母。