竹澤 正哲
(ティルバーグ大学)
Revisiting 'The evolution of reciprcity in sizable groups'
古くから互恵性によって二者間の囚人のジレンマゲームにおける協力行動は進化するとされてきた。加えて、n人の囚人のジレンマゲームにおいても、互恵的な行動はしばしば報告されている。しかしBoyd & Richersonは、互恵性では囚人のジレンマゲームにおける協力行動を説明することができないと主張している。発表では、このBoyd & Richersonのモデルにおける互恵性がトリガー戦略になっていることを指摘し、代わりに連続的互恵戦略(他のメンバーの平均協力率に合わせて、自らの協力行動を決定する戦略)を投入すると、N=100を超えるようなグループサイズを想定した場合でも互恵的な協力行動が進化することが示唆された。