真島 理恵
(北海道大学)
Is the enemy's friend an enemy? An experimental study to examine strategies in indirect reciprocity settings


間接互恵性が成り立つためには、パートナーの前回の行動(一次情報)のみならず、パートナーの前回の相手の評判(二次情報)を考慮する必要があることが知られている。先行研究によれば、良い評判の人に提供した人を「良い」とし、一方、良い評判の人に提供しなかった人を「悪い」と評価することに加え、悪い評判の人に提供した人を「悪い」と評価することが間接互恵性の成立の前提となっている。発表では、実際に人々は、悪い評判の人に提供した人を「悪い」と評価するのかどうかを調べるために行った実験が紹介された。参加者は資源提供ゲームに参加し、各参加者の一次情報、二次情報を見ることができた。そして実際に参加者がこのような選別戦略をとっているのかを見るため、参加者がどのタイプの参加者を選んで提供したかを調べたところ、予測と一致し、非提供者に提供した人を好む割合は、提供者に提供した人を好む割合よりも低くなっていた。