大学院生の指導について Q&A

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 ところで皆さんは大学院を選ぶにあたってどのようなカリキュラムがあるのか、あるいはどのような指導が得られるのかなど、さらに他大学からの進学を考えている皆さんについていえば、北大での学生生活について、また他大学からの進学者の合格率などについての様々な質問をお持ちのことと思います。ここではいくつかのよく聞かれる質問についてお答えします。

Q1. 大学院に入ってからのカリキュラムについて教えてください。

 私たちの研究室の特徴は、それぞれの研究がプロジェクトチームという共同作業を通して行われていることです。

    

  修士1年目に入ると、大学院生は、まず基礎知識を高めるためにいくつかの必修科目(行動実験調査法特別演習・集団力学特別演習・社会心理学特別演習)を履修します。そして自分の研究の興味に応じて、教員を中心として形成されている様々な研究プロジェクトチームのいずれかに参加します。各プロジェクトチームでは、研究発表を通して意見交換を行ったり、実験計画をみんなで考えたりしています。大学院生はプロジェクトに参加する過程で自分の研究のテーマを決めていきます。同時に、私たちは大学院生が自分の関心だけにとらわれず、幅広い知識を身に付けられるよう、大学院共通セミナーを週一回開き、プロジェクト間の意見交換をしています。さらに時間のある学生は、有志を募って勉強会を主催したりしています。

  修士2年目になると本格的に自分のテーマを絞って研究をはじめます。ここでは実験の準備からはじめて、データを集め、それを分析して、大学院の共通セミナーで発表することが目標にされています。修士課程に所属する学生は2年目の終わりまでに修士論文を書き上げ、口頭審査を受けます。博士課程進学希望者はさらに入試の準備をします。

 博士後期課程に入ると、今度は自分の力で研究を立ち上げ、遂行することが望まれます。この間、博士後期課程の院生は、専門雑誌に自分の研究論文を投稿したり、国内や国外の学会に参加することも奨励されています。約3年間かけて、研究論文1、研究論文2を書き上げ、最終的に博士論文としてまとめて、修士課程の時と同じく、口頭審査を受けることになります。

Q2. 他大学から北海道大学の社会心理学研究室に入るのは難しいのですか?

 そんなことはありません! 過去9年間(1998年以降)の大学内部進学者は17人、他大学からの進学者は28人です。つまり、半数以上の学生が北海道大学以外からの進学者です。合格した大学院生たちの前に在籍した教育機関の内訳も様々で、全国各地からの学生たちが集まってきています。その中には有名な国公立大学や地方私立大学、それに社会人や他国からの留学生も含まれます。大学院試験ではその人が元々どんな教育機関にいたのかについては問うわけではありません。試験内容は、もちろん基礎学力についての試験もありますが、面接も重視して、その進学希望者が人と社会の関係についていままで何を学び、何を大切であると考え、これから何を知りたいかについて聞きたいと思っているのです。私たちがこのように広く人材を募っているのは、社会心理学という分野を本当に楽しいと思い、真剣に学ぼうという強い意志をもって、将来の学術領域、あるいは広く社会に貢献するポテンシャルをもった学生たちを探しているからです。

北大以外からの進学例
札幌学院大学、北海道教育大学函館校、小樽商科大学、東北大学、早稲田大学、千葉大学、東京大学、東洋大学、金沢大学、日本福祉大学、京都大学、和歌山大学、大阪教育大学、岡山大学、筑波大学、中央大学、東京女子大学、立命館大学、北海道教育大学札幌校、淑徳大学、コロラド大学、カリフォルニア大学ロサンジェルス校、ウィスコンシン州立大学、サンフランシスコ州立大学など

Q3. 学部時代に心理学を専攻している必要はあるのですか?

  これも答えは「NO」です。これまでに私たちの研究室に集まってきた人たちの中には、様々なバックグラウンドを持った人たちがいました。学部時代には心理学以外の学問を専攻し、大学院に入ってから心理学や統計法を本格的に勉強し始めた人たちも多くいます。例えば、法学、経済学、哲学、社会学、経営学、英文学、人類学、生物学、教育学、社会福祉学など、実に様々な領域から学生が集まっています。そして、そのことによって、多様な角度からの「人間の心と社会」についての議論が可能となっているわけです。

Q4. 大学院生でも学術論文を書くチャンスがあるのですか?

大学院課程では修士論文、そして博士論文を書き上げることが要求されています。さらに大学院生を育てる教育の一環として、大学院生にも「自分の論文を学術雑誌に掲載する」ように指導しています。私たちは大学院生に対し、日本の社会心理学の分野で評価されている3つの専門誌:実験社会心理学研究、社会心理学研究、心理学研究に自分の研究を掲載するように奨励しています。大学院に入ったばかりの皆さんにも専門の雑誌に自分の名前が載せるチャンスがあるのです。日本語の論文が書けるようになったら、今度は英語での論文にチャレンジする機会もでてきます。もちろん、大学院生にとっては、欧米の一流誌への掲載を目指すのは大変です。一流専門誌では応募論文の内、80%以上の論文が落とされてしまうのがあたりまえの世界です。その上日本語以外で論文を書くのはなかなか大変です。しかし私たちの研究室にいる海外経験豊かな教員や研究員、大学院生たちが論文のアウトラインからはじめ、論文提出の手続きまでを完全にバックアップします。皆さんの出した論文を読んだ海外の一流研究者が皆さんに連絡してくる事だって夢ではありません!

大学院生が第1著者になっている論文の一覧 【国際誌】

Inukai, K., & Takahashi, T. (in press)
Decision under ambiguity: Effects of sign and magnitude.
International Journal of Neuroscience.

Inukai, K., & Takahashi, T. (2006).
Distinct neuropsychological processes may mediate decision-making under uncertainty with known and unknown probability in gain and loss frames.
Medical Hypotheses, 67, 283-286.

Takahashi, C., Yamagishi, T., Liu, J., Wang, F., Lin, Y., & Yu, S. (in press).
The intercultural trust paradigm: Studying joint culturalinteraction and social exchange in real time over the internet.
International Journal of Intercultural Relations.

Takahashi, C., Yamagishi, T., Tanida, S., Kiyonari, T., & Kanazawa, S.(2006).
Attractiveness and cooperation in social exchange.
Evolutionary Psychology, 4, 315-329.

Takemura, K., & Yuki, M. (2007).
Are Japanese groups more competitive than Japanese individuals? A cross-cultural validation of the interindividual-intergroup discontinuity effect.
International Journal of Psychology, 42, 27-35.



大学院生が第1著者になっている論文の一覧 【国内誌】

堀田結孝・山岸俊男. (2007).
互酬性と同一性保護ー最後通告ゲームにおける拒否の理由ー.
心理学研究, 78, 446-451.

堀田結孝・山岸俊男. (2008).
最後通告ゲームでの意図のない不公正分配の拒否.
実験社会心理学研究, 47, 169-177.

高岸治人・高橋伸幸・山岸俊男. (2009).
第三者による不公正是正行動における意図の役割.
実験社会心理学研究, 48, 159-166.

竹村幸祐・有本裕美. (2008).
「北の大地」における相互独立的自己:北海道での認知的不協和実験.
実験社会心理学研究, 48, 40-49.

谷田林士・山岸俊男 (2004).
共感が社会的交換場面における行動予測の正確さに及ぼす効果
心理学研究, 74, 512-520.

横田晋大・結城雅樹 (2006).
他集団からの脅威が社会的ジレンマゲームでの協力行動に与える影響
行動科学, 45, 49‐50.



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社会心理学研究室 Social Psychology Laboratory

〒060-0810
札幌市北区北10条西7丁目

北海道大学大学院文学研究科 行動システム科学講座

社会心理学研究室

TEL:(011)706-3056 FAX:(011)706-3066

  1. グローバルCOE心の社会性に関する教育研究拠点
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  4. 北海道大学
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